英語を勉強してきた。
単語も、文法も、発音も。
それなのに、どこか「自分の言葉じゃない感じ」が消えない。
言えてはいる。でも、なんか違う。
そう感じたことはありませんか?
実はその違和感、「練習不足」だけが原因ではないのかもしれません。
もっと根本のところで、日本語と英語では、「言葉が立ち上がる流れ」そのものがかなり違うからです。
日本語と英語は、単語や語順が違うだけではありません。
何を先に感じるのか。
どこへ意識が向きやすいのか。
どうやって言葉が出てくるのか。
その流れ自体に、大きな違いがあります。
たとえば、後ろから急に驚かされたとします。
日本語なら、
「びっくりした!」
と自然に出てくる方が多いと思います。
ここでは、「誰が」というより、驚いた感触そのものが、そのまま言葉になっています。
一方英語では、
"You scared me."
のように、「誰がその状態を生み出したのか」という像へ意識が向きやすい感覚があります。
もちろん、"Oh!" や "Wow!" のように、感触そのものが出てくることもあります。
ただ全体として見ると、日本語は感触そのものがそのまま言葉になりやすく、英語は「誰が/何がその状況を生み出したか」という像を比較的はっきり捉えやすい傾向があります。
同じ場面でも、自然に立ち上がりやすい言葉の方向が少し違う。
ここが、実はとても大きなポイントです。
日本語は、空気感や感触をかなり自然にまとめて受け取る言語です。
「寒いね」
「行こうか」
「わかった」
こういう言葉が、主語なしでも自然に通じます。
これは単なる省略というより、「場の感触」が先に共有されている感覚に近いのかもしれません。
一方英語では、「誰が」「何が」を比較的はっきり置きながら、そこへ状態や特徴を乗せていく流れが強くなります。
"It's cold."
"She left."
"I got it."
英語では、「どこへ意識を向けるか」が、そのまま話者の意識の置き方に近くなります。
大人になってから英語を学ぶとき、多くの日本語話者は、すでに日本語側の処理にかなり慣れた状態からスタートします。
だから英語を話そうとすると、
感触を受け取る
↓
日本語的に整理する
↓
英語へ変換する
という流れになりやすい。
これが、「頭の中で高速翻訳している感じ」の正体です。
疲れるのも自然です。
どこか不自然になるのも、ある意味では当然なのです。
英語が自然に出てくるようになるためには、
「日本語を英語へ変換する」
のではなく、
刺激からそのまま英語側の流れが立ち上がる回路を、少しずつ育てていく必要があります。
それが、私が「英語のOSを整える」と呼んでいるものです。
次回は、その「カメラ」の感覚について、もう少し具体的に見ていきます。
プロフィール
英語講師のNaoです。日本育ちのまま英語を習得し、TOEIC990点取得(複数回)。20年以上、膨大な数の学習者を指導しながら、「なぜ話せないのか」「何が効くのか」を観察し続けてきた結果たどり着いたのが、処理構造そのものを整えるというアプローチです。私のレッスンの目的は、英語を自立して吸収できる土台を作ることです。その土台が整ったとき、英語は先生なしでも育ち続けるものになります。そこまでお連れすることを、使命としています。
このテーマについて、少しずつ続きを書いていく予定です。
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