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カルチャーショックの4段階とは - 客観視すると楽になる

Shibashiba

海外生活や外国人との出会いで経験するカルチャーショック。
どう感じるかは人それぞれですが、多くの人が同じような段階を踏んで変化していくことが知られています。

1950年代にKalervo Obergという文化人類学者は、次の4つの段階を通ることが多いと発表しました。

1 ハネムーン期 Honeymoon Stage
2 カルチャー・ショック期 Frustration Stage/Culture Shock Stage
3 適応期 Adjustment Stage
4 受け入れ期 Acceptance Stage

最初と最後がポジティブなので、Uカーブとも言われます。アルファベットのUの形のように、最初と最後が上で、真ん中が落ち込んでいるわけですね。スマイルのお口のカーブでもあります。☺

さらに、帰国してから自国に違和感を感じる「再ショック期 Reverse Culture Shock」を加えて5段階と数える場合もあります。

みんなが4段階を踏むわけではない

ただし、実際に何割くらいの人がUカーブで変化するのかは不明です。

憧れの国に留学して数か月で帰ってくる人は、ハネムーン気分のままかもしれません。
行きたくもないのに家族の赴任に同行する場合、いきなりどん底から始まることも多いでしょう。私はヨーロッパでこの段階の日本の方に大勢出会いました。日本に来ているフランス人にもこの段階の人がいました。

到着してから去るまでひとつの段階なら、段階ではなくてもはや「タイプ」と言った方がいいかもしれません。

「段階」を知ることで客観視できる

しかし、「タイプ」という考え方より「段階」という捉え方の方が役には立ちます。
なぜなら、状況も感情も、変わりうるものだから。
どん底から始まってどん底で終わった人も、滞在期間がもっと長かったら、別の心境に変化した可能性もあります。あるいは、自分の見方を少し変えてみたら…

ハネムーンにしてもショックにしても、永遠に続くものではないと予め知るのは良いことです。自分の状態を俯瞰し、客観視することができます。「私は今この段階にいるんだろうな」と。それによって、近い未来に起こることに希望を見出したり、準備をしたりすることもできるでしょう。

人は客観性に救われることが、多々あると思いませんか?

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This column was published by the author in their personal capacity.
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