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【英語のOSを整える #5】 なぜ英語は、あんなに速く聞こえるのか

Nao705

英語を聞いていると、
「速すぎて追いつけない」
と感じることはありませんか?

単語単体ならわかる。
ゆっくりなら聞こえる。
でも、ネイティブ同士の会話になると、
急に全部が流れてしまう。

音がつながって、
崩れて、
曖昧になって、
しかも思いもよらないところから文が始まって…

「今なんて言ったの?」
となる。

一方で英語話者側は、
そもそもそこまで“高速で話している感覚”ではありません。

ここには、
単なるスピード以上の違いがあります。


前回のコラムでは、
英語では、
響きや空間が保たれたまま音が並んでいく、
という話をしました。

実は、
「英語が速く聞こえる」
理由も、
そこに深くつながっています。


日本語は、
比較的、
音の区切りが見えやすい言語です。

ただ実際には、
口の中では、
かなり細かい切り替えが連続しています。

子音を反動のように使いながら、
次の母音へ移り、
息を一瞬止めてまた軽く出して、
また次の音へ切り替わっていく。

そのため、
大きく動いているわけではないのに、
小さく速い動きが、
かなり頻繁に起きています。

しかも音同士も、
自然に影響し合いやすい。


一方英語では、
細かく切り替え続けるというより、
響きや空気圧を保ちながら、
その中で音が並んでいきます。

だから、
前の響きの反響や残像が、
次の音へ自然に重なっていく。

そのため日本語話者からすると、
英語は、
「わんわん響いて混ざっている」
「ボソボソして不明瞭で聞き取れない」
と感じることがあります。

実際にレッスンでも、
最初は
「ボソボソして、しかも速すぎる」
と訴える方が多くいらっしゃいます。

ただ、
少しずつ英語の響きを身体で捉え始めると、
多くの方が、
「実はかなりクリアに響いている」
と感じ始めます。

今日もある生徒さんが、
以前はほとんど聞き取れなかった話し声が、
「今は驚くほどクリアに聞こえる」
というようなことを話してくださいました。


実際、
英語話者は、
それぞれの響きをかなり細かく体感しながら話しています。

音が崩れて、
雑に省略されているわけではありません。

むしろ、
それぞれの響き自体は、
かなり純粋なまま存在しています。

ただ、
日本語のように、
一つ一つを固定して区切っていない。

だから日本語側の感覚では、
「曖昧になっている」
ように感じやすいのです。


たとえば、
英語の曖昧音。

日本語話者からすると、
「弱くて適当な音」
のように感じることがあります。

でも実際には、
英語話者は、
その響きをかなりしっかり感じながら発音しています。

輪郭を固定していないだけで、
響きそのものは、
かなり安定して存在しているのです。


だから英語話者は、
音を適当に流しているわけではありません。

むしろ、
それぞれの響きを、
かなり細かく身体で感じながら話しています。

そして聞くときも、
その響き一つ一つを、
身体ごと受け取っています。

ただそれは、
日本語のように、
一つ一つを固定して区切る感覚とは少し違います。

響きの空間が保たれたまま、
それぞれの音が、
純粋なまま並んで存在している。

そんな感覚に近いのです。


一方、
日本語側のままだと、
音を、
日本語の粒感覚のまま捉えようとしてしまいやすい。

すると、
・処理が追いつかない
・一瞬遅れる
・途中で崩れる
・知っている単語なのに聞こえない
ということが起こります。

これが、
「英語が速すぎる」
感覚につながっていきます。


だから大切なのは、
英語を、
日本語の粒感覚のまま捉えようとしすぎないことです。

まずは、
英語話者が、
どんな響きを味わいながら話しているのか。

どんな空間の中で、
音が並んでいるのか。
それを少しずつ身体で感じながら、
英語の響きそのものを、
体感として受け取っていくこと。

すると、
最初はただ「速すぎる音」に聞こえていた英語が、
少しずつ、
意味を持った響きとして聞こえ始めます。


英語が聞き取れないのは、
耳が悪いからでも、
才能がないからでもありません。

日本語とは違う響きの世界を、
まだ身体が十分に受け取り慣れていないだけなのです。


次回は、
「なぜ英語では、“主語”がこんなに重要なのか」
について、
もう少し詳しく見ていきます。



プロフィール

英語講師のNaoです。日本育ちのまま英語を習得し、TOEIC990点取得(複数回)。20年以上、膨大な数の学習者を指導しながら、「なぜ話せないのか」「何が効くのか」を観察し続けてきた結果たどり着いたのが、処理構造そのものを整えるというアプローチです。私のレッスンの目的は、英語を自立して吸収できる土台を作ることです。その土台が整ったとき、英語は先生なしでも育ち続けるものになります。そこまでお連れすることを、使命としています。

このテーマについて、少しずつ続きを書いていく予定です。

同じ内容をnoteでも公開しています。 note

 

日本語コラムと合わせて、英語での発信(Substack)も少しずつ増やしていく予定です。→ Substack


 

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 「写真:夫撮影」



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前のコラム:

#4 なぜ英語になると、「声」が浮いてしまうのか

 

次のコラム:

#6 なぜ英語では、主語がこんなに重要なのか

 

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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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