フランスの公立学校に行くと、授業中に ベールやキッパ、十字架のネックレス を身につけている生徒はほとんどいません。
日本人の目には「そりゃそうだよね」と特に違和感はないかもしれませんが、なぜフランスではこの“見えないルール”がこんなに大事にされているのでしょうか?
(※私立学校ではこのルールは必ずしも適用されず、宗教的な服装やシンボルが許されることもあります。)
ライシテって何?
このルールの背景には、フランス独特の考え方 「ライシテ(laïcité)」 があります。
ライシテとは、宗教を信じる自由も信じない自由も、みんなが平等に過ごせるように守ろうという原則 のことです。
公立学校では、生徒がどの宗教であろうと平等に扱われ、差別やいじめを防ぐための仕組みになっています。
学校や公共の場に宗教持ち込んではいけない理由
フランスの公立学校では、宗教的な服やアクセサリーを身につけて自分の信仰をアピールすることはできません。
例として:・イスラム教のベール/ユダヤ教のキッパ/キリスト教の十字架のネックレス など
教師の役割と憲章
そして、フランスの公立校の教師は、勉強だけでなく、「自由・平等・みんなで仲良く」 という価値も生徒に伝える役割も担っています。
すべての公立学校には、日常生活の中でこの考えを意識させられるように 「学校におけるライシテ憲章」 が掲示れています。
※「学校におけるライシテ憲章」
1.宗教・信仰の自由を尊重する
2.差別やいじめは禁止
3.授業中は宗教的シンボルや服装を控える
4.自分の意見は尊重とルールのもとで表現する
でも、ライシテには賛否両論もある
一見すると 「平等で理想的!」 と感じますが、実はこのルールには賛否両論があります。
・賛成派:みんなが平等に扱われる環境を守れる、宗教が原因のいじめや差別を防げる
・反対派:個人の信仰や自己表現の自由が制限されすぎるのでは?
例えば、イスラム教徒の生徒がベールをつけられないことが、「宗教的自由の侵害」と感じられる場合もあります。信仰の自由・表現の自由を奪っているという批判です。
また、すべての宗教とは言いつつも、実際には、議論の中心はイスラム女性のヴェールであることが多く、結果として「宗教の問題」ではなく「文化的・民族的な差別」になっていると指摘もあります。
それが、結果的に社会的分断を深める(公共空間での制限 → 少数派が社会から遠ざけられるという逆効果)との指摘もあることも、最後に付け加えておきたいと思います。
平等を守るためのルールなのに、自由を制限してしまう…フランスならではの悩みという気もしますね。
昨今、日本国内にも、違う習慣や宗教を背景に持つ外国人がたくさん暮らすようになって来ました。私たちも近い将来同じような課題にぶつかる時が来るのではないでしょうか。
この議論は、その時のためのヒントとなるような気がします。
Source : site d’actualité pour enfants Un jour, une actu.
(:出典:子ども向けニュースサイト Un jour, une actu)
★以上の内容は、フランスの子供向けニュース” 1 jour 1 actu”を参照にしています。ご興味があれば、レッスンで一緒に読み解いてみませんか?
回應 (0)