きれいな字は美しい字ではない
ふと思い出したのは、はるか昔、小学校の書き取りテストでした。
昭和時代の父と息子。おやじは、読み書きそろばんではないですが、字を書く点にはうるさい人でした。おやじもおじさんも達筆で、美しい字を書きましたが、きれいな字=美しい字ではありません。
きれいな字とは、読みやすく、心のこもった字という意味です。ペン習字のお手本のような美しい字を書くこととは異なります。
これまで中学生や高校生の作文・小論文を添削してきましたが、一見してきれいでない字で書かれた原稿に接すると添削する気持ちが半減します。
共通するのは、このような点でしょうか。
・字が乱れている
・原稿用紙のマス目を無視して書いている
・字に心がこもっていない=文章が苦手、邪魔くさいという感じが表れている。
・誤字、脱字が多い
こうした特徴を持つ作文・小論文は、概して論旨が一貫していない、つまり何を書こうとしているのかが分かり難いという点が多々ありました。
きれいな字が入試を左右するのではないけれど
これは、学校選抜型入試や総合型選抜入試の志望理由書、小論文にも当てはまります。
きれいな字で書く、つまり字の美しさではなく丁寧に書かれている、読んでもらおうという気持ちが入っている文章には、採点する大学の教員も親近感を持つと考えられます。
もちろん、きれいな字であるから合格に関係するのかというと、関係はしないと考えられますが、面接の場で「丁寧な字であの志望理由書を書いていたのは、この生徒さんか」という風に案外記憶されていることもあるかと考えられます。
きれいな字を書くポイントを2つ。
・ゆっくり丁寧に書く
・読む人に伝えるという思いをこめる
丁寧に書く練習が必要
試験には時間制限があり、ゆっくり書いている余裕などない、もちろんその通りだと思います。
日常的にできるだけ丁寧に書く、つまり書く練習が必要となってくるのです。
Comments (0)