【大学入試漢文】返り点のつけ方完全マスター

大学入試の漢文では、文章を正確に読むために「返り点」の理解が不可欠です。返り点を使いこなせるかどうかで、文の構造を正しく把握できるかが決まります。

多くの受験生は、返り点の種類やつけ方に苦手意識を持っています。単に「点の形を覚えるだけ」では入試でスムーズに読めず、時間を浪費してしまうことも少なくありません。

しかし、一度仕組みを理解し、効率的な練習法を身につければ、返り点を使った漢文読解は飛躍的にスピードアップします。この記事では、返り点の基本からつけ方のコツ、実践練習法までを網羅的に解説します。

１．返り点とは？

返り点とは、漢文の語順を日本語の語順に直すための記号です。漢文は中国語の語順（主語＋目的語＋動詞など）で書かれていますが、日本語に直すと語順が異なる場合があります。返り点は、その順序を示すために文章中に付けられます。

主な返り点の種類

甲点（＼）：一文字目が最初に読む語であることを示す
乙点（一）：二文字目以降の語の順序を示す
上点（、）：連文の逆順を示す
左返り点（レ）・右返り点（一二三）：複雑な語順の逆順指示

返り点は一見複雑ですが、規則性があります。基本を押さえれば、どんな文章でもつけられるようになります。

２．返り点の基本ルール

（１）動詞・形容詞の位置を意識する

漢文では、動詞・形容詞が文末に来る場合があります。返り点を使うと、日本語の語順に合わせて動詞や形容詞を最後に回せます。

例：
「子曰、学而時習之」
返り点を付けると：
「子＼曰＼、学＼而＼時＼習＼之＼」
読み：子曰く、学びて時にこれを習う

動詞「習う」を文末に回すための指示が返り点の役割です。

（２）連用修飾語の順序を確認する

修飾語（副詞や助詞）は、漢文の順序と日本語の順序が異なる場合があります。返り点をつけることで、修飾語と被修飾語の関係を正確に読み取れます。

例：
「君子以仁存心」
返り点：君子＼以＼仁＼存＼心
読み：君子は仁をもって心に存す

「以仁」が「心に存す」を修飾していることが、返り点で一目で分かります。

３．返り点のつけ方ステップ

ステップ１：主語を確認する

まず、文章の主語を特定します。多くの場合、主語は文の最初に現れることが多いですが、省略されることもあります。

ステップ２：動詞・形容詞を探す

文章の最後の方に来る語が多いため、まず動詞・形容詞をマークします。返り点は、これらを文末に回す指示として付けられます。

ステップ３：修飾語を確認する

副詞や助詞が動詞や形容詞を修飾している場合、順序が逆になっていることがあります。返り点で正しい語順に並べる指示をします。

ステップ４：文章を声に出して読む

返り点を付けたら、実際に声に出して読みます。漢文のリズムに沿って読めるかを確認すると、つけ忘れや誤りに気づきやすくなります。

４．返り点練習のコツ

（１）簡単な文章から練習する

初めは短文や教科書レベルの文章で返り点の感覚をつかみます。長文を無理に読むより、短い文章で正確につける練習を重ねる方が効果的です。

（２）繰り返し書いて覚える

返り点の種類やつけ方は視覚的に覚えることが重要です。ノートに文章を書き、返り点をつける練習を繰り返すと、自然と目が慣れてきます。

（３）音読で意味を確認する

返り点をつけた後、声に出して読んで意味が通じるか確認します。読んで違和感がある場合は、返り点の位置を調整します。

（４）頻出表現を覚えておく

漢文には入試でよく出る表現があります。たとえば「子曰」「孔子曰」「天下無難事」「学而時習之」などは、返り点のつけ方が決まっているため、覚えておくと応用が効きます。

５．家庭でできる返り点練習法

教科書の例文をコピーして返り点をつける
付箋や色ペンで動詞・修飾語をマーキングする
声に出して読みながら返り点を確認する
入試過去問で実践練習を繰り返す

この方法を毎日15分程度でも続けると、自然と返り点をつける習慣が身につきます。

６．家庭教師の活用ポイント

返り点は覚えるだけでなく、文章構造を理解する力が求められます。家庭教師がサポートすると、以下のメリットがあります。

個々の理解度に応じた返り点の付け方指導
長文読解の中での返り点活用法の実践
間違いやすい文章パターンの整理

独学では気づきにくい細かいミスも、家庭教師の指導で効率よく改善できます。

まとめ

返り点をマスターするためのポイントは次の通りです。

主語・動詞・形容詞・修飾語の位置を確認する
基本の返り点の種類（甲点・乙点・上点・レ点など）を覚える
短文から練習し、書きながら覚える
声に出して読み、意味を確認する
頻出表現を押さえて応用力をつける

返り点を正確に使いこなせるようになると、漢文の読解速度と理解力が飛躍的に向上します。毎日の練習と、必要に応じた家庭教師のサポートを組み合わせれば、大学入試本番でも迷わず得点できる力を身につけることができます。

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