大学入試の小論文は、単なる知識や情報を詰め込むだけでは高得点を狙いにくい科目です。伝えたいことを論理的に、かつ読みやすく書くことが求められます。そのためには、使う言葉や表現に細心の注意を払わなければなりません。
実際に小論文の採点者は、表現の不適切さや論理の甘さを見逃しません。特に、使ってはいけない「NGワード」や避けるべき表現が文章の評価を大きく下げることがあります。
この記事では、大学入試の小論文でやってはいけない表現やNGワードを具体的に解説します。避けるべき言葉遣いを知ることで、あなたの文章が格段に説得力を増し、合格に近づきます。
1. 小論文で避けたいNG表現の基本姿勢
小論文は「自分の考えを相手に分かりやすく伝える」ことが目的です。だからこそ、以下のポイントを守ることが大切です。
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曖昧な言葉を使わない
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感情的すぎる表現は避ける
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根拠のない断言を控える
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俗語・口語表現は使わない
これらは文章の信頼性や説得力を低下させる原因になります。以降、具体的なNGワードとその理由を紹介します。
2. 【NGワード集】小論文で使ってはいけない表現一覧
2-1. 「~と思います」「~だと思う」
よくありがちなのが「思う」「感じる」などの主観的表現です。
NG例
「この政策は効果的だと思います。」
「私はこう考えると思う。」
理由
小論文は主観の羅列ではなく、客観的な根拠に基づく論理展開が求められます。「思う」と繰り返すと、説得力に欠け、幼稚な印象を与えます。
改善策
根拠を明示しつつ断定的に書く。
例)「この政策は、統計データからも効果的であるといえる。」
2-2. 「すごい」「めっちゃ」「やばい」などの俗語・口語
高校生や受験生の普段の会話では使いやすい言葉ですが、小論文では不適切です。
NG例
「この方法はすごく効果がある。」
「この問題はやばいと思います。」
理由
俗語や口語は、文の格を下げ、正式な文章としての信用を失います。大学入試という公式な場では避けるべきです。
改善策
フォーマルな表現に置き換える。
例)「この方法は非常に効果的である。」
「この問題は深刻である。」
2-3. 「絶対に」「絶対」「必ず」
断言する言葉は、根拠が不十分だと逆効果です。
NG例
「この方法は絶対に成功する。」
「環境問題は必ず解決できる。」
理由
科学的・社会的事象には不確定要素が多く、絶対的な言葉は非現実的に映ります。説得力を下げるだけでなく、「反論されやすい」リスクもあります。
改善策
「~可能性が高い」「~と言える」といった柔らかい表現を使う。
例)「この方法は成功の可能性が高い。」
「環境問題の解決に向けた努力が必要である。」
2-4. 「みんな」「誰でも」「絶対に~できる」
不特定多数を表す言葉は避け、具体的な対象や条件を示しましょう。
NG例
「みんながこの意見に賛成するはずだ。」
「誰でも簡単にできる。」
理由
あいまいな表現は、論理の裏付けが弱い印象を与えます。実際に全員がそう思うとは限りませんし、証明も難しいためです。
改善策
対象を限定し、根拠を添える。
例)「多くの人がこの意見に賛同している。」
「一定の条件を満たせば可能である。」
2-5. 「いろいろ」「たくさん」「いっぱい」
漠然とした数量を表す言葉も不適切です。
NG例
「いろいろな問題がある。」
「たくさんの意見が出された。」
理由
数字や具体例を示さず漠然とした表現は、説得力を弱めます。
改善策
具体的な数字や事例を入れて裏付ける。
例)「近年、5つの主要な問題が指摘されている。」
「100件以上の意見が寄せられた。」
2-6. 「とても」「かなり」「非常に」
程度を強調する副詞は多用を避け、必要な場合は客観的根拠とセットで使いましょう。
NG例
「この政策はとても重要だ。」
「非常に効果的である。」
理由
単独の強調語は主観的に感じられやすいです。何故そう言えるか説明を加えないと説得力に欠けます。
改善策
根拠を明示しながら用いる。
例)「この政策は、過去の実績から非常に重要であると評価されている。」
2-7. 「私は」「私たち」
小論文では基本的に一人称を避けます。主観的に聞こえるため、文章の客観性が損なわれます。
NG例
「私はこう思います。」
「私たちは~するべきだ。」
理由
試験官にとっては主観的な意見に聞こえ、説得力が下がります。
改善策
一人称を避け、客観的な視点を心がける。
例)「このような理由から、この方法が有効である。」
「社会全体として取り組むべき課題である。」
2-8. 短すぎる文や「~です」「~ます」調の多用
小論文は論理的な文章を書く場所です。短く切れ切れの文や話し言葉調は避け、接続詞や論理展開を工夫しましょう。
NG例
「これは重要です。効果があります。だからやるべきです。」
理由
単調で論理的展開が弱く、読みづらい印象になります。
改善策
接続詞を用いて文章をつなげる。
例)「これは重要であり、したがって効果的であるため、実施すべきである。」
3. NGワードを避けるだけでは足りない!プラスアルファのポイント
NGワードを避けただけで合格できるとは限りません。説得力を持たせるためには、以下も意識しましょう。
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具体例やデータを活用する
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文章の構成を明確にする(序論・本論・結論)
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論理のつながりを示す接続詞を適切に使う
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反論を想定して、自分の立場を補強する
4. まとめ:小論文のNG表現を理解し、差がつく文章を書こう
大学入試の小論文で避けたい表現やNGワードは、文章の説得力や評価を大きく左右します。主観的すぎる言葉や曖昧な表現、俗語や断言などは極力避け、客観的で論理的な文章を書くことを心がけましょう。
本記事で紹介したNG表現を参考に、普段の小論文練習で意識してみてください。そうすることで、文章の質が格段にアップし、合格への近道になります。
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