日本語教師の資格を取るためにスクールに通っている友達が、スクールで「日本語の教師は、WordとPowerPointは使えるようにしておいた方がいいです。Excelは、ほとんど使わないと思いますが・・・」と言われたと言っていました。
が、私は、Excelの講師をしているので、日本語のレッスンでもExcelを活用しています。
たとえば、フリートークの時などは、Excelに最近追加されたTRANSLATE関数を使うと、日本語を打ち込んでいくだけで、生徒さんの母国語や英語などを一瞬でリストに表示してくれます。

Microsoftの翻訳機能なので、辞書ほど正確ではないですが、複数言語を並べて表示させておくと、「あ、この訳はちょっとニュアンスが違うかも」と、いくつかの言語を見比べながら、日本語のほうで調整して(助詞や動詞を追加したり、文章にしたり)正しいニュアンスの翻訳を導くことなどもできます。
(この関数は、比較的新しいので、Excelのバージョンによっては使えない場合もあります)
Googleスプレッドシートには、同様の機能をもつGOOGLETRANSLATEという関数が以前から搭載されていたので、語学講師の方は使われている方も多いかもですね。(こちらは、使っている辞書はGoogle翻訳のものなので、Microsoftとは別の辞書を使っています。個人的にはGoogleの辞書の方がいいような気がしなくもないですが(^_^;)
入門や初級の日本語を教えていると、ふりがなをつける作業もちょっとめんどうだなぁ~と思ってしまうことがありますが、これもExcelだと「ふりがな」ボタン一つで、元の文字と同じセルに表示したり、PHONETICという関数を使って別の列に表示することができます。
カタカナで表示することも、ひらがなで表示することもできます。
(ふりがなは、Googleスプレッドシートでは対応されていなかった気がします。また、海外で購入したPCや、海外サイトからダウンロードしたOfficeにはフリガナ機能がついていないようです)
そして、このTRANSLATE関数とPHONETIC関数を組み合わせることで、「なんちゃってローマ字」の表示ができちゃいました!

Excelには、もともとローマ字への変換ができる機能や関数はないので(そもそもローマ字にも〇〇式~とかいろいろあるので難しそうですよね)、外部のシステムを使ったり、マクロ(自動化)のプログラムを書いたり~という方法をネットではよく見かけます。
私は、Excelは教えているのですが、マクロ(VBA)はMOSの試験範囲+α程度の基本部分しか使えないので、もっと簡単に上記の2つの関数を組み合わせて、ローマ字表示をしてみました。
外部システムの利用とか(個人情報とか送りたくないし)、インストールとかダウンロードとかも、できればあまりしたくなくて(^_^;)
ちなみに、TRANSLATE関数で、PHONETIC関数で取り出したふりがなを英語に翻訳するとローマ字が表示されるのですが、ふりがながひらがなかカタカナかで、戻ってくる値が違ったので、両方表示させて、IF関数でローマ字表示率の高い方を戻してみました。
たまに、全然違うじゃん(^_^;)ていうのもあるのですが(英語に翻訳しているので英語が表示されたり、対応する英語が存在しなくてエラーが表示されたり)、そこだけハンドで修正すればいいので、レッスン後のフィードバックで生徒さんにお渡しする語彙リストを作るのにはとても便利です。
ひらがなとカタカナを覚えた生徒さんの練習用にRAND関数を使ったランダム表示のフラッシュカード(覚えた文字からはじまる言葉だけにしたり、名詞だけとか動詞だけなど品詞でフィルターもかけられるようにしてみました)と、フリートークのテーマを言語レベル別や、テーマ別でフィルターをかけたあとで、ランダムに表示させる画面を作ってみました。

生徒さんとテーマの表示画面を共有して、くじを引くみたいにランダムにテーマを一緒に選んだり、希望するカテゴリーを選んでもらってそこから選んだりします。選んだテーマで話が続かなくなったときなども、すぐに次のテーマに切り替えられて好評です。
教える側だけではなくて、学習者側もExcelでフラッシュカードを作ったり、単語リストを作ったり、便利に活用できると思います。
フラッシュカードは、PowerPointで作る人が多いかもですね。(最近はオフィス勤めでない方はCanvaの方が多いかな?)
PowerPointは、マスターを使いこなせると、とても簡単に統一性のあるカードを作ることができます。
覚える時に使うカードはPowerPointのほうがイラストなども入れられて楽しいかな~と思いますが、練習用はExcelでのランダム表示が魅力です。
ぜひ、試してみてくださいね!
Excelを使われる方は、たぶん、このコラムの文章と画像を見れば作れてしまうと思いますが、ちょっとこの説明だけではわからないけど、作ってみたい!という方は、「フリーサポート」のレッスンで、作り方をお教えします。
ランダムに表示させるときに、更新ボタンを押すところだけマクロを使いますが、そんなに難しくないので「フリーサポート」の50分のほうで、使用する「関数」と「テーブル」と「マクロ」の説明ができると思います。
Excelのバージョンがそれぞれの関数に対応しているかどうかは、Excelを開いて、任意のセルに、「=TRA」まで入れて、TRANSLATE関数が表示されたら、翻訳の関数は対応しています。
同じく、フリガナが表示されるかどうかは、〔ホーム〕タブに「ふりがな」ボタンがあるか、またはセルに「=PH」と入れてPHONETIC関数が表示されるかどうかでわかります。
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