共通テストの国語において、漢文は配点の25点を占める重要なパートです。文章量は少なめで、選択肢形式のため取り組みやすく、「漢文は得点源になる」と言われることも多いでしょう。
しかし実際には、「読めば何となく分かるけれど満点は取れない」「句形を覚えたのに設問に活かせない」といった声も少なくありません。漢文で満点を狙うには、ただ文法事項を暗記するだけでなく、設問形式に即した実践力を養うことが必要です。
この記事では、共通テスト漢文で安定して高得点・満点を取るための具体的な勉強法を、基礎〜実践レベルまで段階的に紹介します。高校生本人はもちろん、保護者の方も学習の見守り・サポートに活かせるよう構成しました。
1. 共通テスト漢文の特徴を知ろう
まず、戦略を立てるには敵を知ることから。共通テストの漢文は、例年以下のような構成で出題されています。
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配点:25点(大問1題)
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設問数:4~5問程度
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文章量:300〜400字程度
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形式:選択肢問題のみ
また、設問の種類としては以下のようなものが頻出です。
このように、漢文は「知識問題」と「読解問題」の2つの力を問われます。そのため、知識だけでなく文章全体を論理的に読み取る力も養う必要があります。
2. 基礎固め:漢文の土台をつくる勉強法
① 句形を“意味とセット”で覚える
漢文の文法の中心となるのが句形です。「〜ず」「〜る」「〜べし」など、文中の意味を決める重要なパーツになります。
よくある誤りは、「句形の形だけを暗記して意味を理解していない」こと。
たとえば、
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使役形:「AしてBしむ」= AにBさせる
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疑問形:「〜や」= 〜か?
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反語形:「〜んや」= 〜か(いや、〜ない)
このように、意味と用例セットで覚えることで、設問でもすぐに判断できるようになります。
✅ポイント
「この句形は何を表しているか?」を口に出して説明できるようにするのが目標です。
おすすめ参考書:
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『漢文ヤマのヤマ』(学研)
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『漢文早覚え即答法』(学研)
② 重要語彙は“現代語との違い”に注意
漢文では、漢字一字が独特の意味を持ちます。たとえば:
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「将」:まさに〜んとす(これから〜しようとしている)
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「安」:いづくんぞ(どうして)
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「以」:〜をもって(〜によって)
現代語の「将来」「安全」とは意味が異なるので、“漢文特有の意味”を覚えることが重要です。語彙は100語ほどに絞って覚えておけば十分です。
③ 返り点と書き下し文の練習
共通テストでは返り点の知識を直接問う問題は少ないですが、書き下し文のスムーズな読解は不可欠です。
以下のような基本ルールを押さえましょう。
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一二点:下から上に読む(レ点や一二点の使い方を理解する)
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送り仮名:動詞や形容詞を元の形に直す
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主語と述語を対応させる
書き下し文が読めると、文の構造が明確になり、読解問題にも強くなります。
3. 実践力をつける演習法
① 共通テスト過去問&模試の活用
実戦力を高めるには、共通テスト形式の問題演習が不可欠です。
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本番形式で時間を計って解く(10~15分が目安)
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間違えた問題は「なぜミスしたか」を分析
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選択肢の消去法を使って根拠を明確に
過去問は年度が進むにつれて内容が「共通テスト仕様」に近づいています。特に令和3年(2021年)以降の問題を繰り返し解くのがおすすめです。
② 選択肢問題に強くなるための3ステップ
漢文の選択肢問題は、正答だけでなく誤答の根拠を明確にする力が問われます。
ステップ1:本文と選択肢を対応させる
→ 「この表現はどこを言い換えているか」を探す
ステップ2:設問の意図を考える
→ 語句・主語・対比など、問われているポイントを意識する
ステップ3:すべての選択肢を精査する
→ 一見正しそうな選択肢も、言い換えミスや一部誤りが潜んでいることがあります。
✅アドバイス
漢文は「満点が取りやすい」反面、「ちょっとしたケアレスミスで失点しやすい」科目でもあります。消去法と根拠確認を徹底することが満点への近道です。
4. 毎日15分でできる漢文ルーティン
漢文は時間をかけすぎるより、毎日少しずつ積み重ねる学習の方が効果的です。
毎日のおすすめメニュー(15分)
このような習慣を3週間も続ければ、「あれ、漢文って簡単かも?」と感じるようになります。
5. 保護者の方ができるサポート
保護者の方が漢文学習に介入するのは難しく思われがちですが、毎日の学習のリズム作りにおいて大きな役割を果たせます。
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「今日は何の句形をやったの?」と声をかける
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句形や漢字の意味をクイズ形式で聞いてあげる
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模試後に「どこが解けた?」「どこで迷った?」と一緒に振り返る
小さな声かけが、漢文への苦手意識を軽減し、学習の継続につながります。
まとめ|漢文は“知識×精読”で満点が狙える!
漢文は、覚えるべき知識が限られており、読解の技術もパターン化されているため、正しいやり方で勉強すれば満点を狙える科目です。
最後にもう一度、勉強のポイントをまとめましょう。
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句形と語彙は意味とセットで理解する
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書き下し文を正しく読めるようになる
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共通テスト形式の問題で実戦力を磨く
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選択肢の根拠確認を徹底する
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毎日15分、継続が最強の戦略
漢文を得点源にできれば、国語全体の安定感が増し、他教科への時間も確保しやすくなります。ぜひ、今日から少しずつ取り組んでみてください。
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