先日、和楽器の演奏会に行ってきました。
ジャンルは?と聞かれると即答できません…
とにかく一人で、琵琶・三味線・胡弓・箏を弾くという、チャレンジングな演奏会でした。
●邦楽明日への扉 第8回 日吉章吾 演奏会プログラム
[ ]が主演奏者の担当楽器です。他に、3名の助演がいらっしゃいました。
①平家琵琶「祇園精舎」 琵琶独奏[琵琶]
②地歌「夕空」 三味線独奏[地歌三味線]
③胡弓「六段調」 胡弓2部合奏[胡弓]*1名助演
④三曲「残月」 箏・三味線・尺八[箏]*2名助演
演奏家のソロ・リサイタルなのですが、ジャンルとしては、平家琵琶、地歌、箏曲、胡弓の4種にまたがることになります。④の「三曲」というのは、箏曲・地歌・尺八の合奏のことです。
~~~~~
江戸時代、地歌と箏曲と胡弓と平家琵琶は、盲人男性によって伝承されることになっていました。もともと平家琵琶を弾いていたところに、あとから地歌三味線、胡弓、箏が加わったという経緯があります。
ですから、江戸時代には、盲人音楽家は、4種の楽器を習得していました。もちろん得手不得手はあったかもしれませんが、それでも4種とも習うことになっていたのです。
ですが、明治以後は、平家琵琶と胡弓は習う人が減り、その一方、地歌と箏曲は、江戸時代と同様に一緒に習得されて今に至ります。
つまり、現代でも地歌と箏曲の両方を演奏できることは普通です。ですが、胡弓もできる人は少ないです。まして、明治以後、平家琵琶は別ジャンルとして伝承されてきているので、平家琵琶も一緒にできる人はとても珍しいです。
今回の日吉章吾さんは、地歌、箏曲、胡弓に加えて平家琵琶も演奏できる、数少ない演奏家の一人です。4種の音楽を高い水準で演奏することは多大な努力を要することでしょう。
~~~~~
今回、そんな貴重な演奏を聴くことができて大満足。歴史的な背景として4種の楽器の結びつきを知っていましたが、それを一晩で続けて聴くことができました。歴史のかなただった音楽習慣が現代によみがえったひとときでした。
4種の音楽を継続していくことは並大抵ではないと思いますが、ぜひ続けていってほしいです。
また、それを聴く人たちも増えていくといいな~と思っています♪
Comments (0)