こんにちは。ピアノスクールかなでのかなです。
今日は、「小さい音でゆっくり弾く練習」の意味についてお話しします。
弾けるようになってくると、「テンポを上げてもっと進みたい」と思うものです。
でも実は、この“ゆっくり×小さい音”での練習にこそ、たくさんの学びが詰まっています。
ゆっくり弾くことで、リズムのゆがみや左手の雑さ、音の粗さがはっきり見えてきます。
そして小さい音で弾くと、ごまかしが効かなくなるぶん、耳が研ぎ澄まされてきます。
音に芯があるか? 指の形は崩れていないか? 響きにムラはないか?
そうした細かなことを確かめながら弾く練習は、テンポの速さ以上に価値があります。
私がよく伝えているのは、
**「小さい音で鍵盤の底までしっかり押せるようになれば、自然と音楽の精度が上がってくる」**ということ。
この静かな練習は、単なる慎重さではなくて、自分の耳と感覚を丁寧に育てていく時間でもあります。
フレーズのつながり、スラーの息、音色の滑らかさ。
それらを確かめるには、静かな状態で向き合うことが大切だと感じています。
そして何よりも伝えたいのは、
感動というのは、静寂の中から差す光のように、ふと感じられることが多いということ。
静けさ・間・そして小さく優しい音色が加わることで、
演奏の中に込められた優しさや深さが、ようやく届くようになります。
大きな音を出すことよりも、
「小さな音の中にどれだけ美しさを込められるか」を考えることが、音楽の質を変えていきます。
この地味で控えめな時間にこそ、音楽の真価が育まれているのかもしれません。
かな
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