【ピアノブログ】“音の粒を揃える” 最低限の練習法

「音の粒を揃えて」と言われても、最初は何のことかわからない生徒さんも多いと思います。

美術にたとえるなら、線がまっすぐ引けないと絵が整わないのと似ています。
ピアノでも、音が不揃いだとフレーズがゆがんでしまい、何を弾いているのか伝わらなくなるんです。

粒をそろえる練習におすすめなのは、ゆっくりのテンポで、小さめの音量で、指をバタつかせずに弾くこと。
鍵盤の底まで、均一に打鍵する意識を持ってみてください。

特に難しいのは、弱い音で粒をそろえること。
これは筋トレにも似ていて、小さい音でスタッカートを揃える練習は、とても高い集中力と指のコントロールを必要とします。

「力を入れないように」と言われがちですが、実際はフォームを保ちながら正確にコントロールする力が必要です。
“フニャフニャ”としたフォームではなく、しっかりと芯のある打鍵を目指しましょう。

ちなみに私は、スローモーションのようにゆっくり弾くことで、自分の指の動きや音をしっかり観察する時間を大切にしています。
そうすることで、なんとなく弾いていた部分がはっきりと意識に上がってくるからです。

音の粒を整える練習は地味ですが、これができるだけで演奏の印象が本当に変わります。
テクニックがあるように“聞こえる”のではなく、実際に聴く人にとって心地よい演奏になります。

音を整えることは、音楽の美しさの土台。
毎日ほんの少しでも、その積み重ねを大切にしていきましょう。

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