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目黒川の桜から、ブラジルのイペーへ

Ines Tsukui

Ipê


今日は五反田でいくつかレッスンがありました。駅から教室へ向かう途中、目黒川のそばを通りました。毎年、多くの人が桜を見に訪れる場所です。少し足を止めて見てみると、枝にはたくさんのつぼみがついていて、ところどころ咲き始めていました。でも、まだ満開という感じではありません。もう少し時間が必要そうです。
 
この「もうすぐ咲く」という時期には、特別な美しさがあります。あと数日で景色が一変することを、私たちは知っているからです。
ちなみに、日本語の「桜」はポルトガル語では、cerejeira(セレジェイラ)と言います。
花そのものを指す場合は flor de cerejeira(フロール・ジ・セレジェイラ)と言います。
そのとき、桜に負けないくらい華やかな花を咲かせるブラジルのある木を思い出しました。
それは Ipê(イペー)という木です。
 
Ipêの花が咲く頃、ちょっと不思議なことが起こります。まず、ほとんどの葉が落ちてしまい、木は一度すっかり裸のようになります。そしてそのあと、突然、枝いっぱいに花が咲き誇るのです。まるで色の雲が木を覆っているような光景になります。
 
ブラジルでは、Ipêは主に冬から春の初めにかけて咲きます。だいたい5月から9月ごろです。
そして色もとても豊かです。太陽のように鮮やかな黄色のIpê。深みのある紫や藤色のIpê。やさしく繊細な白いIpê。そして桜を少し思わせるようなピンク色のIpêもあります。
 
その時期になると、ブラジルの多くの街で、あちこちに色のかたまりのような木が現れます。遠くから見ると、まるで空中に浮かぶ花の雲のようです。
だからでしょうか。日本で桜が咲き始めるのを見ると、いつもブラジルのIpêを思い出します。
 
国も違えば、木の姿も違いますが、人の心をふっと立ち止まらせる美しさは、とてもよく似ている気がします。
 
ところで、みなさんの街のcerejeira(桜)はもう咲いていますか?

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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