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【共通テスト現代文】「語彙力」で差がつく!現代文キーワード100語の覚え方

AZUKI

 
「現代文は日本語だから、勉強しなくても読めるはず」 「単語帳をやるのは英語だけでいい」 もしそう考えているとしたら、共通テスト現代文の「本当の恐ろしさ」をまだ知らないかもしれません。
 
共通テストの現代文、特に評論文において、受験生を苦しめるのは「文章の長さ」や「設問の紛らわしさ」だけではありません。その根底にあるのは、日常会話では決して使われない「概念語(現代文キーワード)」の圧倒的な知識不足です。
 
「アイデンティティ」「パラダイム」「普遍と特殊」「止揚(アウフヘーベン)」……。 これらの言葉を、なんとなくの意味で読み飛ばしていませんか? 共通テストの選択肢は、こうしたキーワードの本質的な理解ができているかを厳しく問うてきます。
 
この記事では、共通テスト現代文で高得点を安定させるために不可欠な「キーワード100語」をどう効率的に、そして「使える武器」として身につけるべきか、その具体的なトレーニング法を徹底解説します。
 
1. なぜ共通テスト現代文は「語彙力」で決まるのか
共通テスト現代文は、80分という極めて短い時間で、平均して数千文字の難解な論理を追いかけなければなりません。ここで「語彙力」がある人とない人では、スタートラインですでに大きな差がついています。
 
「読み直しの時間」をゼロにする
知らない言葉が出てくるたびに、私たちの思考は停止します。「えーと、ニヒリズムって何だっけ?」と考えているその数秒の積み重ねが、最後の大問を解ききる時間を奪っていきます。キーワードを熟知していれば、文章を読みながら「あ、これは近代合理主義への批判だな」と、瞬時に論理の地図を描くことができるのです。
 
選択肢の「罠」を論理的に回避する
共通テストの誤答選択肢は、本文の言葉を「微妙に違う意味のキーワード」にすり替えることで作られます。言葉の正確な定義を知っていれば、「本文では『普遍的』と言っているが、選択肢は『一般的』と書いている。これはすり替えだ」と、確信を持って消去法を使うことができます。
 
2. 効率を最大化する「現代文キーワード100」の覚え方
英単語のように「1対1」の暗記では、現代文キーワードは使い物になりません。概念を「構造」で捉えるための3つのステップを紹介します。
 
ステップ1:「対比」でセットにして覚える
現代文のキーワードは、単独で存在することは稀です。必ずと言っていいほど「対立する概念」とセットで登場します。
 
普遍(いつでもどこでも) ⇔ 特殊(今ここだけ)
 
絶対(それ自体で完結) ⇔ 相対(他と比較して決まる)
 
主観(自分の視点) ⇔ 客観(誰から見ても同じ視点) このように対比構造で覚えることで、文章の「骨組み」が見えるようになります。100語をバラバラに覚えるのではなく、50組のペアとして脳にインストールしてください。
 
ステップ2:言葉の「歴史(ストーリー)」を理解する
例えば「近代」という言葉。単に「最近のこと」と覚えるのは間違いです。 「宗教に代わって理性が力を持った時代」「人間が自然を支配し始めた時代」「個人の自由が尊重される一方で、孤独が生まれた時代」。 キーワード本にある解説文を、背景ストーリーとして読み込んでください。言葉の「生い立ち」を知ると、初見の文章でも筆者の問題意識が手に取るようにわかります。
 
ステップ3:「自分の日常」に強引に当てはめる
学んだ言葉を、自分に身近な例で説明してみましょう。 「今日の昼食に何を食べたいかは『主観』だけど、その定食が800円だというのは『客観』だよね」 「自分の『アイデンティティ』が揺らぐのって、クラス替えの時みたいに自分の立ち位置が変わる時かな」 このように、「自分の言葉」に翻訳できた瞬間、そのキーワードは試験で使える「あなたの武器」に変わります。
 
3. 共通テスト直前に見直すべき「最重要ジャンル」
100語の中でも、共通テストで特に狙われやすい3つのジャンルを強化しましょう。
 
「科学・技術論」: 客観性、還元主義、パラダイムシフト。 「科学は万能ではない」という文脈で使われる言葉を整理してください。
 
「言語・文化論」: 分節化、ロゴス、恣意性。 「言葉が世界を作っている」という、現代文の最頻出テーマを支える語彙です。
 
「身体・他者論」: 身体性、間主観性、他者。 自分とは相容れない「他者」とどう向き合うか。現代社会が抱える大きな課題を読み解く鍵となります。

共通テスト現代文で、「筆者の主張」を読み解き、「選択肢の罠」を見破るために必須となる100語を、ジャンル別に厳選しました。

これらは単なる単語ではなく、現代社会を読み解くための「概念(コンセプト)」です。対義語や関連語とセットで確認していきましょう。


1. 現代社会・歴史(近代の超克)

現代文の最も基礎となる「近代 vs 現代」の対立軸を理解するための語彙です。

  1. 近代(理性・人間中心の時代)

  2. 前近代(宗教・共同体中心の時代)

  3. ポストモダン(近代を乗り越えようとする動き)

  4. 合理主義(理性を万能とする考え)

  5. 啓蒙(無知な状態に理性の光を当てること)

  6. 進歩主義(世界は良くなり続けるという信念)

  7. 世俗化(宗教的束縛から離れること)

  8. 個人(社会の最小単位としての自分)

  9. 共同体(村や家族など、地縁・血縁のつながり)

  10. 国民国家(国境と民族が一致した近代の国家形態)

  11. 大きな物語(社会全体が共有する理想や信念)

  12. 脱構築(二項対立の枠組みを壊し、再構築すること)

  13. パラダイム(ある時代を支配する思考の枠組み)

  14. グローバリズム(地球規模の一体化)

  15. ナショナリズム(国家・民族の独立や統一を求める意識)

2. 哲学・認識(自分と世界の関わり)

「どうやって世界を認識しているか」という、哲学的な論考で必須の言葉です。

  1. 主観(自分一人の視点)

  2. 客観(誰から見ても同じ視点)

  3. 普遍(いつでも、どこでも成り立つ)

  4. 特殊(今、ここだけで成り立つ)

  5. 絶対(他と比較せず、それ自体で存在)

  6. 相対(他との関係の中で決まる)

  7. 具象(形があって分かりやすい)

  8. 抽象(共通点を取り出し、概念化する)

  9. 一元論(一つの原理で説明する)

  10. 二元論(心と体など、二つに分けて考える)

  11. アイデンティティ(自己同一性・自分が自分であること)

  12. 他者(自分とは理解し合えない、異質な存在)

  13. 自我(意識している自分)

  14. 無意識(自覚できない心の領域)

  15. ロゴス(理性・言葉・論理)

  16. パトス(感情・情熱)

  17. 感性(直感的に感じ取る能力)

  18. 所与(最初から与えられている条件)

  19. 止揚(アウフヘーベン)(矛盾する二つを統合し、高めること)

  20. 弁証法(対立を乗り越えて真理に近づく思考法)

  21. 実存(現実に存在すること、その個別の在り方)

  22. 形而上(形を超えた、精神的・抽象的なもの)

  23. 形而下(形のある、物質的なもの)

  24. カテゴリー(分類の枠組み)

  25. 属性(そのものが備えている性質)

3. 言語・文化(言葉が世界を作る)

「言葉」と「文化」が人間にどう影響するかを問う頻出テーマです。

  1. 言語(記号としての言葉)

  2. 分節化(連続した世界に言葉で区切りをつけること)

  3. 恣意性(言葉と意味の結びつきに必然性がないこと)

  4. 記号(意味を表す印)

  5. シニフィアン(言葉の音・文字の形)

  6. シニフィエ(言葉が指し示すイメージ)

  7. レトリック(修辞法・表現の工夫)

  8. メタファー(隠喩・たとえ)

  9. パラドックス(逆説・一見矛盾しているが真理を突く)

  10. イデオロギー(政治的・社会的な思想の体系)

  11. 文化相対主義(どの文化も対等であるという考え)

  12. 自文化中心主義(自分の文化が一番だとする考え)

  13. 多文化主義(異なる文化の共存を認めること)

  14. オリエンタリズム(西洋による東洋への偏った視点)

  15. 土着(その土地に根付いていること)

  16. 洗練(磨かれて高雅になること)

  17. コード(特定の集団内での約束事・規則)

  18. 文脈(コンテクスト)(文章や事件の前後の状況)

  19. 翻訳(異なる体系に置き換えること)

  20. 伝達(情報を相手に届けること)

4. 科学・技術(便利さと危うさ)

「科学を信じすぎていないか?」という批判的視点を持つために必要な語彙です。

  1. 科学主義(科学こそが真理だとする万能感)

  2. 客観性(個人の感情を入れない性質)

  3. 再現性(誰がいつやっても同じ結果になること)

  4. 還元主義(複雑なものを分解して理解しようとする手法)

  5. 因果律(原因があれば必ず結果があるという法則)

  6. 実証(事実を証明すること)

  7. 仮説(真理を探るための仮の想定)

  8. 機械論的自然観(自然を精巧な機械とみなす視点)

  9. バイオエシックス(生命倫理)

  10. 環境倫理(自然環境に対する道徳的責任)

  11. 情報化社会(情報の価値が急増した社会)

  12. サイバースペース(電脳空間・仮想空間)

  13. 利便性(都合が良く、便利なこと)

  14. テクノロジー(科学技術)

  15. 人工知能(AI)

5. 身体・芸術・心理(人間性の回復)

「頭(理性)」だけで考えず、「心や体」の重要性を説く際に使われます。

  1. 身体性(体を通じた実感や感覚)

  2. 五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)

  3. 無意識(コントロールできない心)

  4. 深層心理(心の奥底にある意識)

  5. 共同主観(間主観)(複数の主観が一致して客観のようになること)

  6. 感性(美しさなどを感じ取る力)

  7. 審美眼(美を識別する能力)

  8. リアリズム(現実主義・写実主義)

  9. 創造(新しく作り出すこと)

  10. 模倣(まねること)

  11. アニミズム(万物に霊が宿っているとする考え)

  12. 呪術(不思議な力で現象を操ろうとすること)

  13. 祝祭(祭り・日常を壊す特別な行事)

  14. 日常(ありふれた毎日)

  15. 非日常(特別なできごと)

6. 社会・経済・政治(現代の課題)

私たちが生きる社会の仕組みや、歪みを捉えるための言葉です。

  1. 格差(不平等な開き)

  2. 疎外(人間が作ったものに人間が支配されること)

  3. 資本主義(利益と市場競争を重視する仕組み)

  4. 消費社会(物を買うことで欲求を満たす社会)

  5. 匿名性(正体を明かさないこと)

  6. 多様性(ダイバーシティ)

  7. 寛容(自分と違う意見を認めること)

  8. 連帯(結びつき、助け合うこと)

  9. 公共性(社会全体の利益に関わること)

  10. リスク社会(科学技術が生む予期せぬ危険に怯える社会)


これらの100語を、「意味」だけでなく「なぜこの言葉が現代文で好んで使われるのか(問題意識)」までセットで理解できると、共通テストの読解スピードは劇的に上がります。

4. 保護者の方へ:現代文の語彙は「大人の教養」への入り口
お子様が現代文のキーワード学習に苦戦しているとき、それは単に単語を覚えるのが面倒なのではなく、これまで触れてこなかった「複雑な大人の概念」に戸惑っている状態です。
 
保護者の方にできるサポートは、「ニュースや新聞の話題を、キーワードを使って深掘りしてみること」です。 「最近のネット社会の『匿名性』って、どう思う?」「この商品の『付加価値』って何だろうね」 といった、少しだけ抽象度の高い問いかけが、お子様の思考の解像度を上げます。共通テストのキーワードは、受験を終えた後も「知的な社会人」として生きていくための教養そのものです。ぜひ、親子で「言葉の面白さ」を共有してみてください。
 
5. まとめ:語彙力は「読解の解像度」を劇的に変える
共通テスト現代文の勉強を、闇雲に問題を解くことから始めないでください。まずは「キーワード100語」というレンズを手に入れることです。
 
対立概念をセットにして、文章の構造を予測する力を養う。
 
言葉の背景ストーリーを読み込み、筆者の意図を先回りする。
 
自分の日常とリンクさせ、知識を「生きた思考の道具」に変える。
 
レンズの汚れ(語彙不足)を落とせば、今までぼんやりとしていた難解な評論文が、驚くほどクリアに見えてくるはずです。100語のキーワードをマスターしたとき、共通テストの現代文は、あなたにとっての「稼ぎどころ」に変わります。

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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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