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【大学入試古文】難関私大の古文問題に対応する実力のつけ方

AZUKI

 

難関私立大学の古文は、共通テストとは比べものにならないほど語彙量・文章量・設問の分析力が求められます。特に早稲田・慶應・上智・MARCHの古文では、単語の意味の深さや文脈解釈、敬語の使い分け、登場人物の心情読解など、より高いレベルの総合力が必要です。しかし裏を返せば、必要な力は明確であり、その力を段階的に積み上げることで確実に得点力を伸ばすことができます。

この記事では、難関私大の古文に対応するために必要な力を整理したうえで、どのように練習すれば本番で安定して得点できるレベルに到達できるのかを、具体的な勉強ステップとして解説していきます。


■1.難関私大古文が難しい理由とは?

難関私大の古文に共通する特徴には、次のようなものがあります。

●① 単語の意味が深い・文脈依存の語が多い

共通テストであれば、「基本的な古文単語を知っていれば読める」文章が多いですが、難関私大はそうではありません。
同じ単語でも作品によって意味が変わる語や、本来の意味と比喩が混ざった語が当たり前のように出てきます。

●② 文法事項が複雑に絡む

助動詞の識別だけではなく、文脈に応じた意味特定・敬語の方向関係・係り結び・倒置構造など、文法が複数絡んだ読みが必要になります。

●③ 選択肢の紛らわしさが段違い

「主語の取り違いを狙った選択肢」「一部だけ正しい選択肢」「表現をわずかにずらした選択肢」など、
精読していないと絶対に選べないように作られた問題が多く出題されます。

●④ 古文常識が前提になっている

季節感、生活習慣、貴族社会のルールなどを知らないと、読解がズレてしまう設問が多いのも難関私大の特徴です。


■2.難関私大古文に必要な能力を分解すると?

難関私大の古文力は、次の5つの力に分解できます。

●① 精読力(文のねじれを解消する力)

主語が省略される古文では、文脈と敬語と助動詞を手がかりに主語を定める力が重要。
特に、物語文では主語が何度も入れ替わるため、精読力が得点に直結します。

●② 語彙力(深い単語の意味を取る力)

基本単語だけでなく、出典ごとの意味の違いを知ることが不可欠です。

●③ 古文常識の知識

和歌の詠み方、贈答、手紙の形式、男女のかかわり方など、
ストーリーの前提知識をもっているかどうかが読解の精度を大きく左右します。

●④ 論理読みの力

古文でも現代文と同じく、文章の因果関係・対比・転換を捉えて読む必要があります。

●⑤ 設問分析力

選択肢問題に慣れることは、難関私大突破の鍵。
文章理解が正しくても、設問の「ひっかけ方」を知らないと失点に繋がります。


■3.難関私大古文のための「5ステップ学習計画」

ここからは、実際にどのような手順で勉強を進めればいいのかを解説します。


■STEP1:語彙力の底上げ(1〜2か月)

難関私大の古文対策で最初に着手すべきは語彙です。
語彙の質と量が不足していると、そもそも精読に入れません。

●やるべきこと

  • 基本単語帳1冊を完璧にする

  • 出典特有の意味や複数意味のある語を優先して覚える

  • 古語辞典を引く癖をつける

特に、動詞や形容詞の多義語を押さえることで、文章の深い部分まで理解できるようになります。


■STEP2:文法の精度を高める(1か月)

難関私大では、助動詞の意味特定や敬語の方向関係が非常に重要になります。

●意識すべきポイント

  • 助動詞は「意味を文脈で立て分ける」

  • 敬語は「主語と対象の関係」を正確に捉える

  • 係り結び・二重否定・打消推量など複雑な文を読み慣れる

「なんとなく文法はわかっている」では難関私大には通用しません。
一語一語の識別に根拠をもって答えられるレベルを目指します。


■STEP3:精読の訓練(2〜3か月)

難関私大で一番差がつくのが精読力です。

●精読練習でやるべきこと

  • 主語を全て補いながら読む

  • 敬語でだれが動作主体か確認する

  • 係り結びの位置を確実に捉える

  • 一文ずつ区切り、意味のつながりを確認する

まずは短い文章から始め、慣れてきたら長文へとレベルを上げていきましょう。


■STEP4:古文常識の強化(並行して進める)

難関私大では、古文常識を知らないと誤読してしまう場面が多々あります。
これは単語や文法と違い、一度に大量に覚えるものではありません。

●効率的な身につけ方

  • 物語作品を多く読む

  • 図解ではなく「物語の流れ」で覚える

  • 過去問を通して、必要な常識を一つずつ補強する

古文常識は“知っているかどうか”で点数が変わるため、
長期的な蓄積が最も結果につながる分野です。


■STEP5:難関私大の過去問演習(3〜4か月)

最後は、過去問で実戦力を仕上げます。

●過去問の使い方

  • 初見で全てを解こうとしない

  • 解説を読みながら「主語」「転換」「敬語」「係り結び」を確認

  • 選択肢の引っかけパターンを分析する

  • 文章タイプごとの傾向を把握する(随筆系・物語系・説話系など)

過去問は「最終チェック」ではなく、 学習の中心に据えるべき教材 です。


■4.難関私大古文で点が取れるようになる勉強スケジュール例

以下は、受験生が半年で難関私大レベルに到達するためのモデルプランです。

●1〜2ヶ月目

  • 基本古文単語の完全暗記

  • 助動詞・敬語の復習

  • 毎日短文の精読練習

●3〜4ヶ月目

  • 長文読解の導入

  • 古文常識の整理

  • 過去問の簡単なものから挑戦

●5〜6ヶ月目

  • 志望校の過去問演習

  • 精読記録ノートの作成

  • 選択肢のクセ・作者の特徴をつかむ

このスケジュールを軸に、「自分に合う参考書」「必要な領域」を微調整しながら進めると、難関私大にも十分対応できます。


■5.難関私大古文攻略の最終アドバイス

最後に、難関私大の古文で逆転合格するための重要ポイントをまとめます。

●① 語彙を甘く見ない

単語力は読解力そのもの。難関大の単語は「深さ」が違います。

●② 主語判定を絶対に曖昧にしない

古文は主語が変わるたびに意味も変わる。ここができるかどうかが合否を分けます。

●③ 精読こそ最強の武器

情報量の多い文章ほど、精読の差が点数の差になります。

●④ 古文常識は長期戦

短期間でどうにかなるものではない。日々の蓄積が生きます。

●⑤ 過去問は最強の教材

志望校の過去問を早めに触っておくことが、合格ライン到達の近道です。


■まとめ

難関私大古文に必要なのは、「特別な才能」ではありません。
語彙・文法・精読・常識・過去問という5つの要素を、順序よく積み上げていけば、誰でも合格レベルに近づくことができます。

本気で古文を得点源にしたい人、難関大で古文を落としたくない人は、ぜひ今回紹介した学習ステップを参考にして、今日から実践してみてください。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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