写真は有形文化財の国宝「松本城」です。美しいですね。
さて、昨日、令和7年度指定の人間国宝の発表がありました。
今年は映画「国宝」も話題になっているので、昨日の人間国宝の発表に興味を持たれた方も多かったのでは?
人間国宝とは、無形文化財の国宝で、正式には、重要無形文化財を持っている個人に与えられるものです。つまり、重要文化財となり得るたぐいまれな技術を身につけている人と言えるでしょう。
昨日の発表は6名。
そのうち4名が伝統工芸で、2名が伝統芸能でした。
今回は、伝統芸能に注目して、つらつらと思ったことを書いてみたいと思います。
・常磐津節三味線の常磐津都㐂蔵(ときぞう)さん(83歳)
江戸時代後期に始まった三味線音楽である常磐津節(ときわずぶし)は、太夫の語りと三味線の組み合わせで、歌舞伎舞踊の伴奏として発展し、歌舞伎の上演にも欠かせない存在です。
常磐津節では、すべての専門の演奏家が「常磐津」という名を使用しているので、この点は分かりやすいですね。
常磐津都㐂蔵さんは、1947年から常磐津節の修行を始め、59年に現在の芸名となり、2019年から関西常磐津協会理事長を務めています。
・尺八の善養寺恵介さん(61歳)
6才から尺八を学び、東京芸術大学で研鑽を積み、現在まで精力的に演奏活動を行ってきました。
尺八には琴古流と都山流が二代流派としてありますが、善養寺さんは琴古流に所属しています。
琴古流の中に多数の会派があり、師匠から1文字受け継いで芸名とする会派もありますが、善養寺さんは本名で活動しています。師匠の山口五郎さんも本名でしたので、とくに芸名はつけない会派なのですね。
・能楽大鼓の革製作 木村泰史さん(64歳)
伝統芸能での認定は上の2名なのですが、他に、文化財保存のための選定保存技術の保持者として、能楽大鼓(おおつづみ)の革製作の分野で木村泰史さんが選ばれています。
人間国宝ではありませんが、このような技術がなければ伝統芸能は存続できないので、評価されるべき大切な技術だと思います。
なかなか表舞台に出るお仕事ではないと思いますが、このような機会にあらためて注目されると良いな~と思いました。
以上、2名+1名、ご紹介させていただきました。
昨年の国立劇場閉場からなんとなくうつうつとした伝統芸能界隈ですが、久々に伝統芸能に明るい話題。
こういったことを機会に演奏機会や聴きに行く人が増えるといいですね~
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