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【小論文】初心者でも書ける!小論文の第一歩

AZUKI

小論文は、大学入試だけでなく推薦入試や就職試験、公務員試験などでも頻繁に出題される重要な科目です。しかし、「どうやって書き始めればよいのかわからない」「作文とどう違うの?」と戸惑う受験生も少なくありません。特に、初めて小論文に取り組む高校生にとっては、ハードルが高いように感じられるかもしれません。

そこでこの記事では、「初心者でも書ける!」をテーマに、小論文の基本構造から書き方のステップ、よくある失敗とその対処法まで、小論文の“第一歩”を丁寧に解説していきます。


1.そもそも小論文とは?

まず最初に押さえておきたいのは、「小論文とは何か?」という基本的な定義です。

小論文とは、あるテーマに対して自分の考えを論理的に展開し、根拠や理由を示しながら読み手を納得させる文章です。作文との大きな違いは、「論理性」と「客観性」です。

作文が「自分の経験や気持ち」を中心に書くのに対し、小論文は「問題に対する自分の意見や立場」を理論的に説明していく文章です。つまり、小論文は「説得力のある意見表明」が求められるのです。


2.小論文の基本構成は「序論・本論・結論」

初心者が最初に覚えるべきなのは、小論文の“型”です。どんなテーマであっても、次の3つのパートに分けて考えることで、論理的で読みやすい文章にすることができます。

【序論】問題提起と立場表明

まずは「今回のテーマは何か」「それについて自分はどう考えるのか」をはっきり示します。ここでテーマから逸れた話をしてしまうと、全体の論点がズレてしまうので注意が必要です。

【本論】理由・根拠・具体例

自分の立場を支える理由や根拠を論理的に展開するパートです。理由は最低でも2つ、できれば3つあると説得力が増します。加えて、具体的な事例(社会問題、統計データ、ニュース、自分の体験など)を挙げると文章が具体的になります。

【結論】意見のまとめと再提示

最後に、自分の主張をもう一度はっきり述べ、全体をまとめます。新しい情報を入れるのではなく、ここまでの論点を再確認するイメージで書きましょう。


3.初心者でも書ける!小論文の書き方ステップ

では実際に、小論文をどのように書いていけばよいのか、初心者向けのステップに分けてご紹介します。

Step1:設問を正確に読む

小論文は、設問に対して的確に答えていないと評価されません。設問文を丁寧に読み、「何を問われているか」を明確にしましょう。「〜についてどう思うか」「〜のメリットとデメリットを論じよ」など、指示語の内容やテーマの範囲を正しく理解することが出発点です。

Step2:メモ書き・構成を考える

いきなり本文を書き始めるのは危険です。まずは次のようなメモを作り、頭の中を整理しましょう。

  • テーマ:何について書くか

  • 自分の立場:賛成か反対か、中立か

  • 理由①②③

  • 具体例:ニュース・経験・社会背景

  • 結論:最終的に伝えたいこと

この構成メモがそのまま文章の骨組みになります。

Step3:文章にしていく

構成ができたら、実際に文章に書き起こしていきます。最初はうまく書けなくても構いません。まずは最後まで書くことを目標にしましょう。

・一文一意(1文に1つの内容)を意識する
・接続詞を使って論理的につなげる(例:「まず」「しかし」「その結果」「したがって」)
・読み手を意識して、分かりやすく丁寧な文章を心がける


4.よくある失敗パターンとその対策

初心者がやってしまいがちなミスと、それを防ぐための対処法を紹介します。

【失敗例1】テーマからズレた話をしてしまう

→【対策】最初に「この文章では〇〇について考える」と明示するクセをつけましょう。

【失敗例2】意見があいまいで何が言いたいのかわからない

→【対策】「私は〇〇だと考える」と明確な立場を最初に書くこと。

【失敗例3】理由が弱くて説得力がない

→【対策】「なぜそう考えるのか?」を繰り返し自問してみる。第三者に説明できるように具体例を探すとよい。

【失敗例4】文字数が足りない・多すぎる

→【対策】構成段階で段落ごとの目安字数を決めておく。最初は時間をかけてでもバランスよく配分を意識する。


5.小論文力を伸ばすためのトレーニング法

小論文は、書けば書くほど上達しますが、効果的に力を伸ばすための練習方法があります。

◎新聞やニュースを「要約」する

時事的な問題に触れ、自分の言葉で要約する練習をすると、情報整理力と論点を見抜く力がつきます。

◎「賛成・反対」両方の立場で書いてみる

同じテーマでも視点を変えて書くことで、バランスの取れた思考力が身につきます。

◎プロに添削してもらう

書いたものを先生や家庭教師に添削してもらい、自分では気づかない論理のズレや表現の弱さを指摘してもらいましょう。


6.まとめ|小論文は“型”と“考える力”がカギ

小論文は、決して特別な才能が必要なものではありません。まずは「型(序論・本論・結論)」をしっかり身につけ、テーマに対して自分なりの意見を考え、それを筋道立てて表現する練習を積み重ねれば、必ず上達します。

「何から始めればいいのか分からない」という方は、まずは新聞記事を一つ読んで、「自分はこの問題をどう考えるか」を100字程度で書いてみてください。それだけでも、立派な第一歩です。

最初の一文が書けたとき、小論文への苦手意識は必ず変わります。自信をもって、小論文の世界へ踏み出しましょう。

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The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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小論文添削レッスン

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